ユニークなモチーフと配色が目を引く、ポーチやサコッシュ、トートバック。凸凹工房が手がける革製品はすべて世界に一つだけのオリジナルだ。凸凹工房は岐阜市社会福祉事業団ワークサポートみやこで、アート活動をするグループ。現在は5人のメンバーが支援員の川上宏二さんのサポートのもと、1週間に2、3個のペースで革製品を制作している。今ではお客さんからのオーダーを受けることも珍しくないが、独自のデザインを生むまでには長い年月がかかったという。障がいの有無に関わらず、世の中に革作家が溢れているなかで、凸凹工房にしかできない唯一無二のものづくりとは何なのか。週末、岐阜市内で開催されるマルシェに出店してはお客さんの反応を見て試行錯誤を重ねた。時には一つも売れずに途方に暮れることも。メンバーがつくりたいものと、売れるものにはギャップがあり、川上さんと凸凹工房のメンバーが互いに理解し合うには、対話と時間が必要だった。

「障がいがあるからこそできる表現がある」。川上さんがそう気がついたのは意外にも最近のことだ。マルシェに立ち寄ったお客さんが、その場では手に取らなくても、どうしても忘れられないと後日注文をしてくれる。売れなくても「いいやん!」と声を掛けてもらえる。革の傷や破れを敢えて中央に配置したり、糸の色を途中で変化させるなど、固定観念に捉われないからこそ生まれる自由なデザインが人の心を掴む。革製品としての精度の高さや実用性以上に、凸凹工房のメンバーにしかできないものづくりが人の心を揺さぶる。例え100人に1人の心だとしても、その事実が凸凹工房がものづくりを続ける意味となった。

デザイン画を描く工程から、縫製まですべて手作業で制作している凸凹工房。完成品を「商品」と呼ぶのが相応しいか、「作品」と呼ぶべきか。凸凹工房は制作物をそのどちらでもない“アートクラフト”と定義する。障がいのある人がつくったから価値があるのではなく、障がいがあるからこそ生み出された表現に、障がいのない人が本当の意味で心動かされ、お金を払ってそれを購入する。凸凹工房は、障がいのある人がアートを通して社会と触れ合うとき、共生社会の実現に一歩近づくと信じている。コロナによる自粛生活が明け、再び人と出会い、アートクラフトを届けられる日々が戻ってくることを凸凹工房は願ってやまない。

 

社会福祉法人 岐阜市社会福祉事業団 ワークサポートみやこ

住所/岐阜県岐阜市都通2-23(岐阜市福祉健康センター2階)

電話/058-252-4737

〒502-0841  岐阜市学園町3-42 ぎふ清流文化プラザ1F

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